ある日のこと、三女が水をペットボトルに入れて、遊んでいた。その夜、食卓の上に水が入ったままのペットボトルが放置されていた。
そこで、僕は「腐るから水を捨てなさい」と叱りました。
娘は「水しか入ってないのにどうして腐るの?」と聞いてきました。
これは本当に大人でも難しい問題です。実際、水自体は腐ることはありません。「水に入っているもの」+「微生物」この組み合わせで、「水に入っているもの」が腐るというのが正しいところです。そして、水のおかげで微生物が元気に活動できるワケなので、どちらかというと「水」は腐りやすいもののに入ります。(我が家はレンタルの浄水器を使っているため、普通の水道水よりもなお腐りやすい。これについては以前に三女に説明したことがある ⇒ 記事はこちら)
(ちなみに食品の保存性の指標として、水分活性が使われます。)
まぁ、前半部分は簡単に流して後半に力を入れよう♪と、ざっくり方針を決めて、三女に語りかけました。
水の中にはちょっとだけだけど、別のものが入っていて、これが腐るから水が腐っているように見えるんだよ。
それからね、水は実は腐りやすいんだよ。
砂糖とかお塩は腐っているのを見たことないよねぇ?砂糖は甘いから腐りやすそうでしょ?
実はね、食べ物は水がないと腐らないんだよ。
でね、さらに水にも「自由に動き回れる水」と「そうじゃない水」があってね。自由な水が多いほど腐りやすいんだよ。
ペットボトルに入っている水は傾けたら動くし、ひっくり返したらこぼれるよね?
例えはお味噌とかにも水は入っているんだけど、こっちは水だけ流れることはなくて、お味噌といっしょくたになっているよね?
だから、お味噌は腐りにくいし、ペットボトルのお水は腐りやすいんだよ。
僕、頑張った。……て、感じですねw
けど、これはさすがに理解できなかったかも(^^;
数日後、嫁から三女が意味が分からないことを言っていたケド、変なこと教えた?と聞かれた。なんだか「動ける水は腐りやすい」とか「水には2つある」と言っていたそうだ。
あってるよ!三女!!
でも、これは理解しているって感じじゃないかも(^^;こういう目に見えない世界の出来事を本当に理解できるようになるのって、どれくらいになってからかなぁ。
今は、目には見えない世界があるってことを理解してくれたら、とりあえずはそれで成功かな?
というか、微妙な理解であるにせよ、「動ける腐りやすい水(自由水)」と「動けない腐りにくい水(結合水)」を説明できるってすごくない?
うちの三女は天才だ!!!
食品に含まれる水には大きく分けて自由水と結合水の2つがあります。そして、食品が腐るためには微生物が水を利用することが必要です。結合水は食品自体とくっついており、微生物が利用することができません。これに対して自由水は食品とくっついていないため、微生物に利用されてしまいます。このため、自由水の多い食品ほど腐りやすくなります。
この自由水の多さを割合で表わしたものを水分活性と言います。水分活性が高い(自由水が多い)ほど食品は腐りやすいワケですね。具体的な食品で考えてみても、しょっぱい漬物とかは腐りにくいですよね。これは、塩と水がくっついて、結合水ができるためです。同様に甘すぎるジャムなんかも腐りにくいです。