料理屋を辞めた僕は、あろうことか経理・会計・税務・コンサル系の特定派遣会社で働き始めました。
「なぜ!?」という突っ込みはなしでお願いしますw
この話をするためにはまずは特定派遣会社について書かなくてはなりませんね。
特定派遣会社が正社員として雇っている人材を他社に派遣するといった業態の会社です。
なので、名目上は派遣ではなく、出向になります。
様々な理由があり、IT系の企業には多い業態のようです。
まぁ、なにせブラック企業の多い業態なので、興味がある方は「特定派遣 ブラック」とかで検索してみると良いですw
僕の働いた会社は、公認会計士が代表の会社でした。
社内で経理のエキスパートを育て、派遣するという名目の会社です。
場合によってはそのままその会社に転籍することもあります。転籍する際にはもちろん紹介料が発生するので、転籍しても会社にはメリットがあります。
せっかく育てた社員が社外に流出してしまうのは普通は損なワケですが、転籍の際には年収の数十パーセントの紹介料が発生するので、それでも元は取れるワケです。
(その上、実際に育ててもいませんしw下記参照w)
ここまでだけ読むと、特に問題のありそうな会社ではないですよね。さて、ここからブラックな部分を書いていきましょうw
「社内で育てた人員を派遣する」という名目ですが、実質、社内での仕事はテレアポのみでした。
テレアポしかしたことがない人を経理のエキスパートとして派遣するってそもそも無茶でしょ!(^^;
給料は固定給or時給のいずれか高い方でした。固定給は18万、時給は派遣に出た際に発生する料金の50%です。賞与はありません。
つまり、派遣に出なければ給料は安いままなワケです。概ね時給2,500円くらいで派遣に出ます。すると、自分の手取りとしては時給1,250円くらいです。月に176時間働くとすると、月給22万円ですね。
22万円は初任給としては上々かもしれませんが、賞与はないので、年収は264万です。
派遣に一切出なかった場合は単純に18万×12で、年収216万円となります。
そんな会社で働く気になれないと誰しも思うでしょうが、入社時に巧みな説明を受けます。
「社内でも仕事のできる人間は半日のコンサル料で50,000円くらいは稼ぐ。すると、一日10万円の50%で日給は5万円になり、月に20日働くと月給は100万円になる。どんどんと自分の価値を高めれば、収入はいくらでも増やすことができる。」
その域まで行ける人が何人いることか……(^^;
残業は事前の申告が必要でした。そして、上司の承認が必要です。
ちなみに承認をもらって残業をしている人を見たことがないです。おそらく「時間内に終わらせろ」と言われるだけです。
……にも関わらず、帰ろうとすると、「帰って大丈夫なのか?明日は仕事が取れるのか?アポが取れるのか?派遣にすぐ出られるだけの準備ができているのか?」と聞かれます。
今だからはっきり言えます。
「やることもないのに残っても明日の仕事なんて取れません(^^;」
さらにこの会社、社員にプレッシャーを与えるための謎の朝礼がありました。朝礼は毎日一時間にも及びます。長いです(^^;
内容は、今日やることを3回叫ぶ。(この時、他の全員から「まだまだ!」という合いの手が入るw)
3分くらいのスピーチをして、スピーチをした人を全員で攻める。(一通り叩き終わると、「次にスピーチをする方、挙手をお願いします。」と聞くので、全員挙手するw)
当然のことながらこのスピーチはみんなの恐怖となっていました。
なんでしょうね、この儀式?(^^;
実はこのブラックな仕組みは良くできているんです。
みんなこの会社を辞めたくてたまらないんです。そうすると、必死でテレアポして、なんとか逃げ出そうとするワケですね(^^;
地獄と言えるくらいのブラックさの会社でした。
さて、そんな会社にいた自分はどんな社員だったか、書こうと思います。
入社直後、「ぁ、この会社ヤバイ」と思いましたwと、同時に仕組みのうまさを感じ、この仕組みに乗っかって転職するのが結局は一番早いと思いました。
そして、入社から1ヶ月後、逃げたい一心でテレアポ成績ナンバーワンになります。
そして、そのまた1ヶ月後に派遣に出ます。ここまでは思惑通りの見事な流れでした……。
が、ここで破綻します。
経理のエキスパートとして派遣された先で、お札もロクに数えられないというw
半月で返品され、また社内に……。
その初日、朝礼では叩かれ放題。これが僕の最後の出勤となりました。最終日も有終の美を飾るべく、きっちりとアポは取りましたよ。
う~ん、暗いなぁ……さて、この経験がトラウマとなったのか、はたまた吹っ切れたのか。ここから僕は旅人になります。まずは長野県の工場へ住み込みで働きに出ます。